戯言日記 その13 「人並のらしさ」

戯言

 酒に酔うってのは人にどうしても必要な業なのかもしれない。

 いつの時代も、酒に酔って問題を起こすことはたくさんある。

 だからこそ、

「おめーはよ、変に人間臭いよな」

「臭い? 消臭スプレー買ってくる、じゃなきゃモテないしな」

「そんなとこだよ」

 人らしいロボットなども、酔った拍子に作られるのだ。

 身体は鉄で、見た目もらしいロボットなのに、どうも人間臭い行動をとる。

 どこぞの科学者が酔った拍子に作ったらしい。
 今の世の中酒はなく、酔った気分になる薬で人々は酔っぱらう。

 どこぞの誰かが作った薬は身体に害がなく瞬く間に広がった。

 だというのに、数も少なくなった酒に酔って作り上げられたロボット。

 特別な機能などもなく、人に紛れて働いて生活する普通のロボットだった。

 普通に働き、普通に遊び、普通に生きる。

 時にグチを吐き、時に失敗し、時に手を貸し、時に、

「なーんでお前は酒を飲むかね? 人と同じ消化器官を持ってるならあの薬でいいだろうに」

「ばっきゃろー! 酒で酔うのがさいこーなんだりょ!」

「お前さんはほんとに人間臭いねー」

「酒臭い? 酔ってねぇーんだよぉー」

 知り合いに介抱されながら帰宅するロボット。

 酒で失敗する世界で唯一の機能を持ったロボットは今日も生きる。
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 蛇足:一度、夏に知り合いの家でBBQした時に飲んだんですが、歩いて帰ってシャワー浴びてパジャマに着替えてトイレ行ってキラキラしました。たぶんあれは熱中症です。

 蛇足の蛇足:最近日本酒をかぱかぱ行かないと酔わないと気付きました

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