戯言日記 その16 「病名サルマネ」

戯言

 その時気が付いたんだ。

「俺たちは人じゃない! みんなみんなサルなんだ! なんでそれが分からない!」

 自分は気が付いたことをみんなに叫んで教えてまわる。

 サラリーマン、主婦、学生、群れをかき分け、叫び続ける。

「なにあれ」

「いかれたやつがいるな…………」

「ウケる、撮っとこ」

 各々が好き勝手なことを言うも、異端の物を見る目を向けているのが分かる。

 だとしても、

「みんな聞いてくれ! 俺は異常なんかでも病気でもない! 正常だ!」

 声の限り叫びながら走り続ける。

「この世界は人間によって管理されている! 俺たちはそんな人間の実験動物であるサルでしかない! みんな目を覚ますんだ!」

 だというのに誰も自分の言葉を信じない。

 息も切れて、整えようと一休みしていた時、肩を叩かれた。

「あのーちょっといいですか」

 もしかしたら話を聞いてくれるの誰かが? そう期待して顔を上げると

「変な人物が通報を受けて来たんですが、あなたがその人物ですか?」

 騒ぎながらも腕を掴まれて行く服を着たサルを見ながら、まわりのサルたちは呆れたように言った。

「そんなこととっくに知ってるんだよ、それでも今の世界が良いからみんな何もしないんだ」

 今日も人に監視され、人のように生活し、人のマネをして生きる。

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 蛇足:そういや昔サルヂエって本が流行ってましたね

 蛇足の蛇足:猿の惑星一度も見たことないので見てみたい

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