寝ることができない病というものがある。
人によっては羨ましいとも、辛そうとも言えるだろう。
とはいえ人間は寝ることを求める生物。
寝なければ身体は持たず、不調になるだろう。
だというのに、寝れないのではなく寝なくてもいい男がいた。
「いいねーその分いろいろなことができて」
「俺だって寝なくても平気だし?」
「ほんとに寝なくて大丈夫なの? 無理しなくていいんだよ?」
様々な人々が男に声をかけ、検査もしたがいたって正常。
本当に寝なくても良い男だったのだ。
「これは人間の進化と言えるだろう」
そう考えた科学者たちは男に協力を持ち掛け、調査した。
その研究結果を生かし、人々は睡眠のいらない生活を送れるようになったのだ。
幾年もたったある日、男が生を終えようとしたとき、ぼそりと呟いた。
「わたしは寝る必要が無く、その分得をしたが一つだけできなかったことがある。寝て夢を見たかったのだ、これでやっと夢を見れる」
そうして男は永眠についた。
──────────────────────────────────────────────
蛇足:自分は寝ないと持たない人間なのでオールしたら次の日必ず寝ます。
蛇足の蛇足:この話は寝ぼけながら書きました。これから寝ます。
戯言日記 その7

コメント