「世界を変えるにはどうしたらいいのか?」
それが男の悩みだった。
人に聞いても笑われ、友人家族に相談してもいつまでも夢を見るなと笑われる。
「何故だ? みんな世界に不満を持っているというのに何も行動しない、世界を変えればより良い生活を送れるというのに」
疑問に思っていた男は行動した。
人を調べ、世界を調べ、今がどんな世界なのか、どう変えたらいいのか、どのように変えたらいいのか。
そんな時に一冊の本に出合った。
「人が世界の中で生きるのではなく、自分の世界を持った人が世界の中にいる、であれば人が変われば世界も変わる、か、なるほど」
読めば変化は些細なことで良いらしい。
日頃の食事を変える、髪型を変える、服装を変える。
「では試しに…………」
男は行きつけの本屋を変えてみた。
本を買う目的自体は変わらなかったが、店が変わることで道が変わり、手に取ることがなかったあたらしい本も見つかった。
「これは素晴らしい」
確かに些細なことだが、男にとっては新鮮なことばかり、行き詰っていた世界を変える方法も見つかるかもしれないと喜んだ。
男は様々なことを変えていった。
食べ物や外見、暮らす場所、家族、様々なことを変えてみた。
そして一度も変えたことの無いものは何か考えた時に思いついた。
「そうだ、周りにあるものばかりで自分の中身を変えていなかった」
男は自分の思想も変えた。
ある日、人に質問された男は笑いながらこう答えた。
「そうですね、世界を変えるなんて夢を見るのはやめたほうが良いですよ」
人を変えることが世界を変えることにつながるのならば、男は確かに世界を変えたのだ。
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蛇足:今回この蛇足をつけ忘れました
蛇足の蛇足:戯言日記ってタイトルだけどサブタイつけようか迷ってる
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